昨日を含めて何回かNHKで特集した番組について。名付け親はNHKなのかどうか知らないが、「マネー」と「資本」の言葉の意味がかぶるので何となく違和感を感じるが、それは措いておくとして・・・
金融工学、そもそもの前提に問題があるのではないか?
一企業や個人がローンを返せない確率を一律にたとえば5%と考えているが、実際には揺れがある。サイコロの目が同じものがたくさん出る確率は、母数が増えるとゼロに近づくが、揺れがある場合はそんなに一気にゼロに近づかないのではないか?
「すべての企業が破綻する可能性」はゼロだといっていたが、本当にそうか? 今の経済状況から考えれば、そうとは言い切れないのではないか?
これらの前提からリスクの確率を計算したときに、ある程度以上は限りなくゼロに近づくという図になるとのことであるが、これらの前提が違えば、そこまでクリアに、ゼロに近づく点が有ると言えない可能性がないか?
また、サイコロに例えるのは、それぞれの事象の間に関連性が無いことが前提であるが、現実には複雑にからみあっている。それがあまりに複雑すぎるからこそ、逆に関連性が無いと仮定しても計算上は近い結果になるのだが、事象の発生確率(ローンを返せない確率)が大きくなってくると、関連性を無視できなくなる。(たとえば、連鎖倒産など)
そんなことを言っていたら確率を計算できない、のかもしれないが、そもそもその数学モデルが現実に合わないのであれば意味が無い。
CDSなどの金融商品が利益を生む源泉は、所詮は他人の借金返済時の利息である。
そもそも、ひとが借金を問題なく返済できる額は有限であるから、際限なく利息が支払われる=利益を生むということは有り得ない。すべての企業が破綻する以上に有り得ない!
過去の金融工学の計算には、その限界についての考慮が無いように思えるがどうだろう?。
サブプライムローンに関しては住宅価格が過去30年くらい上がり続けていたから、それが見えにくくなっていたということもあるかもしれない。しかし、寿命・買い替えサイクルが長い住宅という商品特性から考えると、30年というのはさほど長い期間ではなかったと言えるかもしれない。
唐突に、資本主義か社会主義か?なんていう二者択一論が出たりするが、今回の金融工学の失敗がそこまでイデオロギー的に白黒を付けるほど大きかったとも思わない。
社会主義では人間の欲望の存在自体を無視したがために、人々の生活が困窮するくらいまで経済が落ち込んでしまうことは歴史が証明している。
サブプライムショックは、人間の欲望に対して制限をかけなかったらコケたというだけの話である。
また、リスク分散することによって、その発生確率は低くなるのかもしれないが、リスク=自分が損をすることがある、元本がすべて無くなることもある、ということを真に理解していなかったのではないか。その点においては文句の言える筋合いではない。
ちなみにFXでちょっと利益が出たと思っていたら、すぐに保証金がなくなるくらい損をしたという話もあるが、それこそ自己責任の話である。FX自体は、他人の金を借りて為替取引しているようなもの。
会社自身がFX取引に手を出して潰れて被害が及んだとかいうのは更に別次元の話である。
一方、格付け会社の人間が、格付けはあくまで過去の実績に基づくものであり未来を予測するものではないと言う。
事実として間違いではない。が、同時に強弁でもある。
格付けはこれから買う商品に対して参考にされるからである。
格付け会社や金融工学を開発した人たちは、果たして本当にリスクに気づかなかったのだろうか。あるいは意図的に分散隠蔽したのか。実際どうか分からないし、個々の企業や個人がどうだったかいちいち問い詰めたいとも思わないが、どちらにしろ、あなた方、自分たちは真のプロと言えるのか?とだけは問うておきたい。
サブプライムショックは実物経済にも影響を与えてしまったわけだが、裏を返せば、それまでのアメリカの好調な消費は、住宅ローンや住宅担保などの借金に依存していた。要するに消費バブルだった。
だからアメリカの消費水準が、1年とか数年とかでサブプライムショック前の水準にまで戻るといったことは期待しないほうがよい。現状ベースで立ち直ることを考えなければならない。景気回復を政治に求める声もあるが、少なくとも、無い需要を無理やり喚起するようなことは期待すべきでないと思う。
公共への貢献と称して、大地震など自然災害に対するファンドに注力しようとしている人もいるようだが、結局は同じ穴のムジナのような気がする。利益の源泉は、誰か他人が払うお金(保険など)である。災害をヘッジしたいと思う企業やら裕福?な人がいたとしても、その資産の何%もかけて保険金を払い続けるか?おのずと限界があると思う。また、災害の発生確率の特性も、経済活動のそれとはまた違うものがあるかもしれない。
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